冬場になるとひんやりする和室。
障子の破れたところから冷気が入り込んできます。
障子にも断熱性がありますが、こうも穴だらけではほとんど意味がありません。
貼り替えるついでに、中空ポリカ板を内側に取り付けることにしました。
断熱性能をアップさせて、障子も破れないようにする試みです。
設計
以前作った勝手口の内窓では、中空ポリカ板をはめ込んだあと上から押し縁を取り付けることで固定していました。
それと同様のつくりにしようと思いましたが、今回は少し事情が違いました。
障子の手前側はスペースが足りないため、押し縁をしっかり固定することができません。手前にはみ出してしまうと開閉時にぶつかってしまいます。
そこで「内側に溝付きの枠を取り付け、溝に中空ポリカ板を差し込む」構造にすることを考えました。
やや複雑になりますが、これなら安定しそうです。
ただし、大きな中空ポリカ板を外周だけで押さえると、中央が浮き上がりやすくなります。
正面からタッカーや釘を打って押さえることも考えましたが、目立つところなので気が進みません。
中桟を取り付けて、上下に分割することにしました。
こうすると手間は増えますが、中央の浮きを押さえられる上に
- 部材が小さくなって作りやすくなる
- 中空ポリカ板がサブロク(1820x910) 1枚で間に合うようになる
といった利点があります。
製作
枠作りには障子と同じ樹種のヒノキを使います。
ヒノキ無節材10本入と中空ポリカ板2枚を買ってきました。
組子(細い部材)の位置を写し取って、、、
ノコギリと彫刻刀で切り欠いていきます。
ぴったりはまることを確認し、、、
1本作ったら位置をコピーして必要な本数を作ります。写真は丸ノコで切り欠いたところです。
トリマーテーブルで溝を掘り、ヤスリで仕上げます。
溝の深さ4.5mmに対して、中空ポリカ板の差し込み深さは3.5mmにしています。
また、中空ポリカ板の厚み4mmに対して、溝の幅は4.5mmにしました。
今回はヤスリで幅を調整しましたが、最初から持っているトリマービットの径に合わせて中空ポリカ板の厚みを選ぶほうが楽だと思います。
一度仮組みしたところです。このあと左右の枠とポリカ板の長さを少し詰めて調整しました。
保護シートと障子紙をはがして組み立て開始です。左右の枠材をビスで固定します。
障子は上辺だけがスリムになっているので、枠材の形状もそれに合わせてL字型にしました。
ポリカ板の木口にはゴミが入らないようにマスキングテープを貼っています。
テープは黄色より白のほうが目立たないと思います。
中桟の面材にはカインズホームで見つけた9mm厚の杉板を使います。ただし幅が足りないので、上下に細い見切り材を入れて補うことにしました。
トリマーテーブルで加工して、押し縁として機能する形状にしています。
見切りが少々目立ちますが、無事納まりました。
下地の木材を入れて、裏側からビスを斜め打ちで固定します。
障子紙を貼り替えて完成です。ポリカ板との間のスペースは密閉されるので、ゴミが入らないように注意します。
完成しました。透明なので和室にもなじんでいると思います。
障子が外れないときは
鴨居の中央付近が下がっていて、障子を外せない場合があります。
そんなときは下のように角材を入れて、横からハンマーで叩いて押し上げると外れるようになります。
角材は1x4材を使いましたが、薄すぎるので2x4材のほうがいいです。
使用感など
以前と比べると和室がだいぶ暖かくなりました。
「障子紙と中空ポリカ板の間」「中空ポリカ板内部」と、空気層が2つ増えたことで強力に断熱できていると思います。
二重窓と違って開閉する建具が増えていないので、使い勝手が良いです。
障子は少し重くなりましたが、不便を感じるほどではありません。
おわりに
既存の障子に合わせて寸法を決めていくのが大変で、完成までに3週間くらい期間が掛かってしまいました。
障子や部品を壊さないように注意も必要で、作業の効率はよくありません。
しかしこれで障子の細かな仕様をいろいろと知ることができました。
今後同じような作業をすることがあったら、最初から中空ポリカをはめる溝付きの障子を作ってみたいです。
そうすると材料選びや入手など、別の問題が出てきそうですが。
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