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アクリル板の切断面のヤスリ掛け【きれいに仕上げるコツ5つ】

ヤスリ掛けは地味な作業ですが、満足のいく仕上がりを求めるなら避けては通れません。

苔用の容器を作るために、このところしばらく、アクリル板の切断面のヤスリ掛けをしていました。

ヤスリ掛けしたアクリル板の切断面

対面が映り込むくらいになり、鑑賞には十分堪えるものになりました。

本記事では、できるだけ効率よく切断面をヤスリ掛けするためのコツを書いたので、「きれいに仕上げたい」「でも少しでも楽をしたい」という人は参考にしてみてください。

※ 使用したアクリル板は「アクリサンデーEX板」3mm厚と2mm厚です。

切断面のヤスリ掛けの方法

基本はこのようにヤスリ掛けをします。

耐水ペーパーを貼り付けた木材をあてて、アクリル板の切断面をヤスリ掛けする

木工ボンドで耐水ペーパーを貼り付けた木材を使って、切断面をまっすぐに磨きます。

下に敷いているのはシナベニヤ合板で、アクリル板を浮かせることで削りやすくしています。

※ アクリル板がベニヤに触れる面は、キズ防止のため保護紙を挟んでいます。

耐水ペーパーは文字通り水に強い紙ヤスリで、水をつけて研ぐと「粉塵が出ない」「研ぎ面が長持ちする」などのメリットがあります。

切断面のヤスリ掛けのコツ

1.カット精度を上げる

アクリル板をカットするときに「精度よく切る」ことで、ヤスリ掛けの手間が減ります。

逆に「切断面の凹凸が大きかったり、切断面が斜めになっている」場合、ヤスリで平面にするにはそれなりの量を削ることになるので大変です。

下は、プラスチックカッターでアクリル板3mm厚を切った場合です。厚みがあるので表と裏の両面からカッターを入れました。

(↓)左は、表と裏で切れ込みの水平位置が合っています。右は少しズレてしまいました。

プラスチックカッターで表裏から切る。水平位置が合っている場合と合っていない場合

この状態から折って割りますが、右の場合は割ると切断面が斜めになってしまうので、ヤスリ掛けの段階でたくさん削る必要があります。

(↓)表裏の切れ込み位置を合わせた場合は、凹凸を最小限に抑えられます。

表裏からの切れ込み位置を合わせて切った切断面

ちょっとしたことですが、ヤスリ掛けの労力が違ってきます。アクリル板のサイズが大きかったり、枚数が多ければなおさらです。

プラスチックカッターは意外に刃厚があるので(0.6mmや0.8mmなど)、定規をあてて切るとき狙った位置を切りにくいので注意します。

 

→ 端材をガイドにしてノコギリでカットする方法です。慣れると精度よく切れます。

2.耐水ペーパーで磨く前に棒ヤスリで凹凸を削る

切断面の凹凸が大きい場合は、たくさん削る必要があります。

すると耐水ペーパーがすぐに目詰まりしたり、擦り切れたりしてしまうので、最初に棒ヤスリでおおまかに削っておくと効率がいいです。

下は円形カットしたアクリル板の場合です。

丸いアクリル板の断面を、棒ヤスリで削る
棒ヤスリ「平 複目 大荒目 150mm」

「まっすぐの角度で、出っ張りだけ削る」を意識しながら少しずつ削ります。削りすぎに注意します。

写真右は、キズ防止のため板側に黄色いマスキングテープを貼っています。

3.適切な番手を選ぶ

耐水ペーパーの番手は、例えば「#120 → #240 → #400」といった順に使います。

目的によって次のように番手を決めます。

  • 凹凸が大きい場合は、小さい(粗い)番手から始める
  • 平面になったら、2倍弱程度の番手に替える
  • きめ細かに仕上げる場合は大きい番手まで使う

 

以下は円形カットした切断面をヤスリ掛けした例です。

(↓)切断面を #120 だけで磨いた場合です。均一にはなりましたが、表面のキズが目立ちます。目立たなくするには、さらに「#240 → #400」と磨いていきます。

#120で磨いたアクリル板の切断面

(↓)「#120 → #240 → #400 → #1000 → #2000 → アクリサンデー研磨剤」の順で磨いた場合です。十分な透明度になりました。

十分に透明になったアクリル板の切断面

水平方向にわずかなキズがありますが、これは番手が少し飛ばし気味のためです。

急に番手が大きくなると一つ前の番手でついたキズが残りやすいので、ピカピカに仕上げたい場合は注意します。

4.持ちやすい当て木を使う

耐水ペーパーを貼り付ける当て木は、形状によって持ちやすさが違います。これが作業効率にも影響してきます。

いろいろな端材で試してみました。

ヤスリ掛けに使うあて木、数種類

この中で一番持ちやすいのは④です。

握るスペースがあって、位置的に力を入れやすく、厚みがあるので直角も維持しやすいです。

適切な大きさの木材に耐水ペーパーを貼り付け、アクリル板の切断面を磨く

磨く対象よりも長さのある耐水ペーパーで、均一に磨きます。

 

長辺を磨く場合は①を使いますが、そのままでは持ちにくいです。

①で長時間磨いたところ、手が痛くなって指の皮がむけてしまいました。

そこで、別の端材を使って当て木を改良します。

手のひらサイズに切った端材(長さ10cm)を、ヤスリで面取りして両面テープで貼り付けました。

耐水ペーパーを貼り付けたあて木に、持ち手を取り付けて改良

これを持ち手にすると、磨きやすさがグンと上がって疲れにくくなります。

持ち手をつけて改良したあて木を握った様子

「指の置き場所を作ること」と「面取りして手のひらにフィットさせること」がポイントです。

押しつけながら前後させる動きなので、固定も両面テープで十分です。これなら他の当て木に使い回すこともできます。

→ 直角の磨き専用の道具も作ってみました。円形カットしたアクリル板用です。

5.研磨剤で仕上げる

ヤスリ掛けのあと、研磨剤をつけて布で磨くとツヤツヤに仕上がります。

特に、大きい番手まで磨いた後に研磨剤を使うときれいです。

作業中についてしまった細かいキズを目立たなくするのにも便利です。

切断面のヤスリ掛け過程と、カット方法による違い

切断面を磨いた過程です。

アクリル板の切断面の比較。拡大画像

①はアクリル板購入時点の縁(アクリサンデーEX版3mm厚、色「エッジブルー」の場合)、②はガイド治具を使用しノコギリでカットした直後の切断面、③はそこから #400 でヤスリ掛けした状態です。

 

(↓)さらに #1000 → #2000 と進んでいくと、徐々に透明度が増します。

アクリル板の切断面の比較。拡大画像

⑥ではそこから先述の「アクリサンデー研磨剤」をつけて布で磨きました。けた違いの透明度になって、反対側の面が映り込みます。


参考までに、以下はプラスチックカッターと丸ノコの切断面です。

カッターで切断したアクリル板の切断面の拡大画像

⑦カッターは切れ込みを入れた後、折って割るので極端な段差ができます。上の写真は厚みがあるため表裏からカッターを入れ、中央が山になって残った状態です。この後は棒ヤスリや、小さい番手からのヤスリ掛けが必要です。

 

丸ノコで切断したアクリル板の切断面の拡大画像

⑧丸ノコの場合、最初の方は②ノコギリと似ていますが、後半は徐々にザラつきが強くなります。これも #120 くらいの番手から始めないとザラつきが落ちにくいです。速くカットできて平面の精度も出ますが、ところどころに小さな欠けができます。

(↓)丸ノコで切断した直後です。溶けたアクリルが下端に付着するので取り除く必要があります。使用したチップソーはアクリル板対応の「YAMASHIN オールマイティZERO」です。

丸ノコでカットしたアクリル板の切断面に、溶けたアクリルが付着している

おわりに

ヤスリ掛け作業は段階が多いようですが、しっかり準備してから始めるとサクサク進みます。

効率よくきれいに磨けると作業も楽しくなります。

 

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