本サイトは記事内に広告が含まれています

木工DIYの粉塵対策。サイクロン集塵機を作りました【効果は?】

作業後の清掃には、普通の家庭用掃除機を使っています。小さい掃除機なので、すぐにダストカップがいっぱいになって、フィルターの目詰まりランプが点滅します。

ゴミ捨てとフィルター清掃が毎回のように必要になるので、後片づけが大変です。負担を軽くするために「サイクロン集塵機」を作りました。

作り方はこちら(JSK-koubouさん)を参照しました。

自作サイクロン式集塵機の構造と作り方(改)
木工やフライス切削でたくさん切りくずが出ますが、掃除機で吸い取るとすぐに一杯になってしまいます。 切りくずの集塵機について調べると、ペール缶を利...

解説記事と動画がとてもわかりやすいです。

サイクロンはキット商品もたくさん出ていますが、こちらは本体・内部まで自分の手で作れる(!)ということで、動画を参考に製作しました。

どれくらいの効果があるのか、結果だけ知りたい方は目次から「効果」へ飛んでください。

 

サイクロン集塵機の簡単な説明

サイクロン集塵機は、一言でいうと「遠心力を利用して木くず等のゴミを分離・捕集し、空気だけを吸引側に送る」しくみです。

下のように、掃除機のホース(オレンジ)の先にサイクロン集塵機を接続します。サイクロン集塵機の側面のホース(青)の先から、木くず等のゴミを吸い込みます。

図はホースの先に集塵機能付きの電動工具をつないだ場合です。電動工具の代わりに掃除機のノズルをつないだり、何もつけずにゴミを吸ったりもします。

木くず・粉塵のほとんどはサイクロン集塵機によって捕集され、掃除機側には空気だけが送られます。これで掃除機側のゴミ捨てがほぼ不要となり、掃除機のフィルター寿命も長くなります。

製作にあたって

製作過程のほとんどは JSK-koubou さんの動画と同じです。

【高効率】サイクロン式集塵機を作る How to make a Cyclone Dust Collector【自作工房】

動画を見たほうがわかりやすいので、説明は割愛します。以下、作り方をアレンジした点と苦労した点です。

配管類

掃除機のホースに合う継手パイプが必要になったほか、自分なりに配管を選びました。慣れないこともあって、パーツ探しには苦労しました。

あくまで一例ですが、入手方法などです。

 商品入手方法
家庭用掃除機(VC-C6A)量販店
アイワ継手パイプ(SOJ-A5019)アマゾン
塩ビパイプVP40ホームセンター
カフスφ38ホームセンタームサシ
カクダイ洗濯機排水ホース 3m(4361-3)アマゾン
電動工具集塵アダプタ(丸ノコFC6MA3、トリマーTRE-40用)付属品または別売

④のカフス(ダクトカフス)は、ゴムのように柔軟な塩ビ素材でできています。これを見つけたおかげで、特に加工しなくてもぴったり接続できました。

同じ「φ38」と表記されていても、製品によって微妙に径が違うので注意が必要です。「φ38」と書かれた通販の類似品も試しましたが、そちらは適合しませんでした。

ちなみに、径がピタリと一致する部品を探し回るのは大変です。また作るとしたら、径の近いものを加工する方法を考えると思います。削ったり、テープで嵩増しして径を合わせるなどです。


④のカフスは、⑤ホースの先に掃除機のノズルをつなぐのにも使えるので計3個買いました。下のように、余った③塩ビパイプを使ってつなぎます。

これだけ柔らかい継ぎ手があると、掃除しているうちに緩んできます。ストレスを感じるほどではありませんが、いずれ改善したいと思います。

本体上部

パーツの違いで本体上部も変更が必要になったため、自分なりに構造を考えました。ボンドを使わずに、気密性を確保できたと思います。

バンドソーなどはないので、円形のカットは丸ノコで正八角形、正十六角形、正三十二角形、、、と切っていきましたが、円盤は3枚もあるので大変でした。

アルミのパンチングメタル(写真「3」の円筒側面です)は、ホームセンターで小さいサイズのものを2枚買い、アルミテープで繋ぎ合わせました。0.5ミリ厚だとつなぐには固かったので、0.3ミリ厚にしました。

側面の穴

本体側面の穴の形状は、個人使用無料の3DCADソフト「Fusion360」を使って作りました。ホースを伸ばす方向から見て円形になるように穴をあけます。

パイプを差し込んでから隙間をパテ埋めするので、穴の形状はそこまで精密でなくても大丈夫です。

ペール缶にドリルで連続して穴をあけ、万能ハサミで切り取ったあと、軸付き砥石で滑らかにします。

ドリルの穴はできるだけ細かい間隔であけないと、削って整えるのが大変になります。つい手抜きをしてしまったので時間がかかりました。

効果

作ったあと、実際に使ってみての感想です。結論からいって、期待以上の効果です。

今までは、木工作業をすると1~2回で掃除機の手入れが必要でした。

ところが、このサイクロン集塵機を使い始めてから6ヶ月以上の間、手入れが必要になったことがありません。この期間の木工作業の頻度は、平均すると週1回程度です。

サイクロン集塵機の内部です。

掃除機の中です。分離しきれない、パウダー状の粉塵が吸引されています。これは動画で見たとおりなので予想の範囲内です。

まだ目詰まりランプは点滅していません。清掃したい気もしますが、あえて手入れはせずに、ランプがつくまで使い続けてみます。

私の環境が前提ですが、掃除機の手入れの労力は今までの20分の1以下にはなっています。

おわりに

サイクロン集塵機は、一度作ってしまえばタダでずっと働いてくれる、ありがたい存在です。

置き場所に少々スペースが必要ですが、清掃の負担がぐっと減ります。こうした改善を積み重ねていけば、DIY環境がどんどん快適になります。

切断、切削などの電動工具を使う方は、ぜひサイクロン集塵機を導入してみてください。便利ですし、おもしろいですよ。

 

→ サイクロンの関連記事(時系列)

サイクロン集塵機の後日談【清掃しました】
サイクロン集塵機を導入してから9か月目です。 ついに掃除機の目詰まりランプが点滅しました。(ランプの正式名称「お手入れサイン」です。) 手入れな...
サイクロン集塵機、内部ユニットへの粉塵付着の様子からの考察
以前作ったサイクロン集塵機です。相変わらず便利に使っています。 本記事はこの集塵機の内部に起こる気流について考察したものです。   →製作時の記...
透明素材でサイクロン集塵機を作る【内部を観察】
今回は「透明で中が見えるサイクロン集塵機」を作りました。 材料は100均のクーラーポット、ガラスビン(3L)、アクリル板のほか、接続部には木材を...
サイクロン集塵機に防音ボックスを取り付ける【騒音レベルを比較】
サイクロン集塵機用に使う掃除機の運転音があまりに大きいので、「防音ボックス」を作りました。 (↓)前回記事です。 今回採用したハンディクリーナー...

コメント